技術情報
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比重: 比重というのは、物質の密度と水の密度との比です。密度とは、単位体積あたり質量のことです。よく知られているプラスチックの比重は、例を挙げますと、軽いのはPMP(Polymethylpentene、ポリメチルペンテン)が0.83で、重いのはPTFE(Teflon、テフロン )が2.3で、ほかのはだいたい1近くが多いです。比重はASTM D792(アルキメデス法)で測定できます。 分子量: 化合物の分子量は普通は変化しないですが、重合体(またはポリマー)の分子量は均一していないので、平均値と分布度で示します。こういった数値はASTM D3598(Gel Filtration Chromatography、ゲル濾過クロマトグラフィー)で測定できます。 粘度: 粘度はよくコロイド固体やコロイド溶液の特性を示すときに使われます。ASTM D1823とASTM D1824で測定できます。 仮比重と粒径分布: この二つの数値はプラスチック原料の粒径と容器に入れた時の状態を表せます。粒径分布はASTM D1921(ふるい分け法)で測定できます。仮比重はASTM D1895で測定できます。 遊離する個体含量: 遊離する個体含量は樹脂の重合の程度を表せます。主は%やppmで示します。 吸水率: 吸水率はプラスチックが水分を吸収する程度を測定して得られる数値です。測定方法としては、対象を乾燥させ、一回重量を測った後、また24か48時間で水に浸って、取り出してから重量を測ります。二回で得られた重量で前後の増加の百分比を計算して得たのは吸水率です。プラスチック材料の中に、吸水率が高いのはベークライト、尿素樹脂、ナイロン、セルロース樹脂などでして、PE、PPなどの吸水率が低いです。一般的に、吸水率が高いと、機械強度と寸法安定性に影響を与えやすいと言われます。 通気性: 空気がプラスチックフィルムや板を通過するときの難易度を測定し得られるのは通気性です。ASTM D143で測定できます。 機械性質 引張強さと伸び率: 引張強さとは、対象物を断裂せずに耐える限界まで引っ張るとき、必要な力の大きさを示す数値で、単位面積あたりで表すことが多いです。対象物が引っ張られて伸びる量の百分比は伸び率です。よく使う引張強さ測定データーは図1-1で示すように、伸び速度は5.0~6.5 mm/minです。詳しい測定方法はASTM D638をご参考ください。
曲げ強さ: 曲げ強さ、また折曲強さを言います。プラスチックの曲げに対する強さをASTM D790で測定して得られた数値で、単位面積あたりで表すことが多いです。PVC、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステルなどの曲げ強さが強いと思われます。プラスチックの曲げ強さを上げるには、ガラス繊維もよく使われます。 圧縮強さ: プラスチックが圧縮力を耐える能力を圧縮強さと言います。ASTM D695で測定できます。 衝撃強さ: プラスチックの衝撃に対する強さを示す値です。ASTM D256の測定方法はCharpy法とIZOD法があります。ASTMの衝撃強さは物体の温度を物体を破壊するのに必要な強度で除いて得られた値で示しますが、国によって標準が違って、ヨーロッパでは破断面積を除いて得た数値とする国もあります。PVC、PE、PP、ABSなどの衝撃強さが高いと思われます。 硬度: 一般的に、硬度はロック ウェル デュロメータ法(ASTM D785)やバーコール法(ASTM D785)、またはショア デュロメータ法(ASTM D2240)で測定します。金属球に荷重を加えて、対象に押し込んでできる(圧痕)くぼみの深さで硬度を示します。ロック ウェル デュロメータ法は対象物の硬さにより、いろいろなスケールがあって、プラスチックに対しては、R(金属球直径12.7mm、荷重60kgf)、M(金属球直径6.35mm、荷重100kgf)、E(金属球直径3.175mm、荷重60kgf)などがあります。 弾性係数(弾性率): プラスチックは外力によって変形し、元の形に戻る能力を弾性係数で表します。弾性変形における応力とひずみの間の比例定数(応力/ひずみ)として定義されます。ほかには曲げ弾性係数と圧縮弾性係数があります。一般的に、弾性率が大きければ大きいほど、材料の剛性率がいいと見られます。 熱性質 プラスチックの熱性質とは、プラスチックが温度変化によって影響される程度のことです。熱性質はプラスチック加工とは密接な関係があります。重要の項目を以下のように述べます: 荷重たわみ温度(または熱変形温度): 通称HDT。試験法はASTM D648などで定められています。試験法規格に決められた荷重を与えた状態で、試料の温度を上げていき、たわみの大きさが一定の値になる温度を示します。荷重たわみ温度はプラスチックが高温、高圧状態で、一定な外形に保つかどうかを示します。 ビカット軟化点(Vicat softening temperature、VST): 試験法はASTM D1525で定められています。試料を固定し、中央部に一定の断面積(JIS K7206では1mm²)の端面を押し当てた状態で、試料の温度を上昇させます。試料に端面は1mmまで食い込んだ時の温度をビカット軟化点(単位:°C)とします。プラスチックが加熱されて、硬度が下げて流動状態になるときの温度のことです。耐熱性の指標とされています。 熱伝導率: 熱伝導率は熱が媒質中に伝導される速度率を示します。試験法はASTM C177で定められています。熱伝導率が低ければ低いほど、材料の断熱性が良いです。金属やガラス繊維入りのプラスチックの熱伝導率が高く、木粉入りのプラスチックのほうが低いです。また、発泡ポリスチレンは熱伝導率を大幅に下げることができます。 熱膨張係数: 熱膨脹係數とは、プラスチックに熱を加えると、物体の長さ・体積が膨張(熱膨張)する割合を温度当たりで示したものです。ASTM D696測定できます。普通、プラスチックの熱膨脹係數は金属より2~10倍があるため、プラスチックと金属で成型される器具を製造するときには、内部の応力が違う原因で割れ目が出ることを防ぐため、ちゃんと考慮する必要があります。 収縮率: 収縮率とは、プラスチック製品が収縮後、成型用の金型の大きさとの比例のことです。ASTM D955測定できます。プラスチック製品を設計するとき、金型と成型品との大きさの誤差を把握するため、必ず先に収縮率を考慮しなければなりません。 メルトフローインデックス: Melt flow index(MFI)とは、プラスチックの流動性を示すものです。測定方法としては、定められた温度と圧力で、加熱されたプラスチックを容器底部に設けられた開口部(ノズル)から一定時間に流れ出せ、流れ出た樹脂量をメルト・インデックス測定装置で測定して得られます。熱可塑性樹脂の加工性質を判断する基準の一つです。 融点: 融点とは結晶性材料の結晶が分解し始めるときの温度のことです。 ガラス転移点: 物体の構成分子の組成が振動し、形態上は固体から液体になるとき(ガラス転移が起きるとき)の温度です。 化学性質 化学性質とは、プラスチック材料が化学物質や溶剤に接触し、または他の化学的影響を受けて、性質が劣化や変質し、不安定な性質になったことです。以下のように述べます: 耐溶剤性: 耐溶剤性の測定方法は、プラスチック材料を定められた温度で溶剤に置いて、一定時間後、重量、体積、引張強さ、伸び率などの変化を測定し、変化が小さいということは、優れる耐溶剤性が持つということです。 燃焼性: プラスチックの燃焼性は対象物の燃焼速度と自己消火性を測定して得られたものです。プラスチックの中に、テフロン、PVC、ナイロンなどは自己消火性が持ち、PPやPE、PSなどは燃やしやすいです。プラスチックの燃焼性を向上させるあめ、難燃剤を加えるのが一般的です。測定方法としては、JIS A1321の建築材料耐燃焼試験法、JIS K6911、K6918、UL規格、ASTM D229、D508、D757、E84などに定められています。 耐候性: 耐候性とは、プラスチックが屋外で使用された場合に、光、熱、空気、風などの影響によって変質を起こしにくい性質です。材料が紫外線、酸素、オゾンの影響における安定性が見えます。耐候性試験は屋外暴露試験法(ASTM D1435)と人工促進法(ASTM D1499)があります。 |